汚れちまった悲しみに

      汚れちまった悲しみに
  汚れちまった悲しみに
  今日も小雪の降りかかる
  汚れちまった悲しみに
  今日も風さへ吹きすぎる

  汚れちまった悲しみは
  たとへば狐の革衣
  汚れちまった悲しみは
  小雪のかかってちぢこまる
  
  汚れちまった悲しみは
  なにのぞむなくねがふなく
  汚れちまった悲しみは
  倦怠のうちに死を夢む

  汚れちまった悲しみに
  いたいたしくも怖気づき
  汚れちまった悲しみに
  なすところもなく日は暮れる…
これは、中原中也の有名な詩である。
私は、こう見えても(どう見えます?) 文学少女だったのです。
詩の同人誌を出したり、小説を書いたりしていました。
この詩に出会ったのは、中学生の時。
言い知れぬ孤独と悲しみを感じる作品です。
中也は、とても繊細な人でしたから
その作品の多くは、薄いガラス細工のようで
傷つきやすく、危うさ、優しさを感じます。

崇高というべき表現だと感じたのは、
「サーカス」という詩のブランコの動きを表した「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよーん」
という表現です。
ゆっくりと揺れ動く空中ブランコの様が、映像になって浮かぶようです。

同郷の山口県出身というひいき目もあるかもしれませんが、
いつ読んでみても 切なさを詠ませたら最高の詩人だと思います。

山口市の湯田温泉の公園に中也の詩が書かれた石碑があります。
それは、「帰郷」の一節です。

  これが私の故里だ
  さやかに風も吹いてゐる
       心置きなく泣かれよと
       年増婦の低い声もする

  ああ おまへはなにをして来たのだと…
  吹き来る風が私に云う



心に沁みる詩です。

この記事へのコメント

やまちゃん
2008年10月14日 12:42
なんか淋しくなる詩ですね…(゚.゚)
酒祭りも終わって…淋しくなってしまいましたかぁ?
また今晩から明るく盛り上がって下さ~い(^0^)/
990を目指して~o(^-^)o
しのぶ
2008年10月14日 17:19
人恋しい秋ですからね~
元々、人見知りの寂しがり屋ですから(-_-;)

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